北法律が過去において解決してきた大きな成果

新幹線は、今日も北区内を静かに走っている

弁護士 鳥生 忠佑

鳥生忠佑弁護士の写真 それは、旧国鉄がかつて東北・上越新幹線が北区内を高架で通過させる計画であるのに対し、北区内沿線9.7km10ヶ所の区民が1973年「北区新幹線対策連合協議会」(北新連)を結成し、東海道及び山陽新幹線のように、「出来てからでは遅い」として、建設工事の差止め裁判に立ち上がったことに始まったのです。

 裁判は、差止めの訴訟が6年続き、その後上野開業を公表した開業を急ぐ国鉄が焦り、国鉄と住民側が相互に厳しい仮処分の打ち合いとなりました。これが、東京地裁民事第9部藤田裁判長の斡旋で和解交渉となり、その和解調書の中で、住民側は数値をもって、日本で初めてとなる新幹線公害の規制をかちとったのです〔1985年(昭和60年)10月30日〕。それは、①北区内通過の時速を110km以下、②騒音を70ホーン以下、③振動を70デシベル以下の制約の合意です(新幹線は、今日でも、荒川の鉄橋を過ぎると速度を大きく上げ、反対にそれにかかると速度を大きく下げています。おためし下さい)。

 住民側と国鉄との詰めの交渉は、私どもの東京北法律事務所と国鉄本社とが、2日間にわたり、民事第9部の部長判事室と結んで深夜に至るまで行って、まとめたものです。これらを「明文」で、しかも「数値」をもって合意した内容は、国鉄が今後永久に守るべき義務のあるものであり、仮に将来、札幌発鹿児島行きの「超特急」ホテルがレール上において実現しても、北区内9.7kmに限っては、これまでと同じく時速110km以下で、静かに走行しなければならないことが義務づけられているものです。

 東京北法律事務所は、数万の沿線住民から依頼を受け、所長弁護士を先頭に、全弁護士が終始裁判と運動に関与し、多くの住民とともに闘いました。

 北区内では、この闘い以来、鉄道の騒音と振動は新幹線よりも在来線の方がうるさいとの評判が定着しています(その詳細は、「北の砦」111頁以下に。ご注文の方は北法律にお申し入れ下さい)。

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