取扱業務
遺言書作成について
「相続人間で争い」が増え続けている中で、
今後財産を遺す方は、死後の相続人間の争いを未然に防ぐことができる
「自筆証書遺言」を作成しておきましょう。
その方法が、最も簡単で、誰でもできる遺言の形式です。
1.財産の相続をめぐって、今日、争いが多発しています。
⑴ このため、公正証書遺言の作成件数が急増しています。
その主な理由は、格差が社会に広がり、若い方々の給料が安く、しかも派遣でしか仕事がない人も多くなり、若い方々がまとまった額の財産を手にする機会が一生のうち親の相続時にしかない、などの問題が背景にあります。
したがって、財産とくに不動産を所有する方々は、不慮の事故による死亡や病気に備えて、まだ若いうちから、生前に遺言書を書いておく必要が高まっています。
その必要性をさらに高めているのは、これからも続く都内の土地価格の上昇です。それが、共同相続人の間で、土地や建物を売却して、少しでも多く、早く自己の相続分の分配を受けたいとする願望につながっているのです。
⑵ 他方で、相続は、不慮の場合を含めて、人の死亡によって直ちに発生しますが、その相続の形は、特定の者に土地や建物の相続を願っていても、相続人が残された配偶者の他に子が1名以上いれば、必ずそれは「共同相続」することになります。
この場合、やむなく、皆で不動産を売却して分けるか、妻などが子らから持分を買取るかして解決しなければなりませんが、後者の場合には妻が売価の2分の1以上の大変な額を負担して出費しないと解決できません。
相続人間の争いは、他人との間の対立より激しくなると言われていますが、相続に関係しなくとも起こりがちな過去の親子・兄弟姉妹の不和のうえに、新たに相続財産上の争いが加わり、相互の決裂は生涯にわたって深まるばかりとなるのです。その中で、「最愛の人」に遺したいとのあなたの考えと希望が実現されず、反対に「最愛の人」がこれから生涯をそこで安心して生活する場所から追い出されてしまうことになるのです。
2.自筆証書遺言の作成と効用
⑴ 資産を持つ方が、自己の財産の分け方を書面化し、みずから相続人らに指示する法律上の文書が、すなわち自筆証書遺言を作成することです。
遺言で最も大切なことは、妻など今後も住居(土地と建物)を継続して利用する必要がある方に、「単独での相続」を指定し、争いが起こることを未然に防いであげることです。
⑵ このように、特別な効力を持たせるには、手っ取り早い「自筆証書遺言」を書いておきましょう。その作成は、弁護士に相談・依頼されれば、難なく、相談のうえ容易に実現できます。当事務所の弁護士にご相談ください。
弁護士は、相談・依頼されると、ご本人と相談のうえで、単独で相続させるなどの理由を書いたうえ、「希望される遺言の内容」と、「相続人への感謝の言葉」などの原案を作成し、それを本人が清書すれば、遺言は完成します。
したがって、何を書き入れるかなども悩むこともいらなくなります。遺言書の要件は「作成日」と「氏名」を「本文とともに自署」し、自己の「印鑑」を押すだけです。
3.自筆証書遺言と公正証書遺言の相違点
遺言には、自筆証書遺言の他に、公正証書遺言があり、その相違点は、次のとおりです。
ア.公正証書遺言は、公証人が全文を作成するものです。
しかし他に、「立会の証人2人」を公証人役場に同行してもらい、そのうえで2人の連署が必要です。
イ.自筆証書の場合は、ご本人が作成するもので、弁護士は相談を受け、案文を作成し支援する立場となります。
しかも、検認の処置(相続人が家庭裁判所に集まり、遺言書の字が本人の書体か、を裁判官が聴取する手続)をとれば、対外的なすべての効力が発生するのは公正証書と全く同じですが、証人の立会は不要です。
したがって、自筆証書の場合は自己の財産内容を「他人に知られない」点で、大きな特典があります。
4.相続において、とくに提出に期限があるもの・以下のとおりご注意願います。
⑴ 相続放棄の申立
・・・死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申立が必要です(限定承認も同じ)。
⑵ 準確定申告の提出
・・・死亡された方に、未申告の収入が残った場合の届出です(同じく死亡を知ってから、4ヶ月以内です)。
⑶ 相続税申告書の提出
・・・死亡を知ってから、10ヶ月以内です(過ぎると延滞税がかかります)。
⑷ 遺留分の侵害額請求
・・・相続開始および、対象となる贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内です。
以上、相続との関係で遺言の主要な点だけ記述しましたが、直接面談して、相談を受けたい方は事務所までご連絡ください。